大脳とアナロジー/ホログラム仮説

ホログラムにはいくつかの魅惑的な特性がある。対象表面の一点の情報はホログラムの全体に分布して記録される。逆にホログラムの一部をとっても対象全体の情報が含まれている。ホロ(全体)という名称はこのような性質からきている。記録に用いる光の周波数を変えれば、多重記録が可能であるし、独立に再生もできる。
これらの性質はいくつかの重要なパラドクスを解決する。大脳皮質機能の局在論は、皮質の欠損によりおこる巣症状、皮質の電気刺激による反応、記憶の想起などの空間的対応に基礎を置いている。しかし、皮質の一部を切除しても記憶が保存されるというパラドクスが存在する。記憶がかなり広範囲に分散し、重畳して記録されるという事実はまさにホログラムの基本的な性質に一致する。イメージなどの情報検索は、記録時に用いた周波数の選択により、瞬時に行なわれる。時系列に沿っての継時的記録や空間的スキャニングつまり「注意」によって選択された一連のイメージを記憶することなどは、大脳皮質を3次元のホログラムであると仮定すれば説明が可能である。これは記憶や認知における連想性の説明にも都合がよい。さらに波動性を利用した演算により、パターンの空間周波数フーリエ解析で周波数成分間の比率を比較することで知覚の恒常性は保証ざれ、その他の冗長性の要因にも安定である。パターンのマッチングに必要な莫大な相関行列の計算も同様に瞬時に行なわれる。

http://ot.dept.health.gunma-u.ac.jp/~shiihara/holo/kasetu.html

精神分裂病――現在の統合失調症という病名ではありますが、昭和60年の論文(の出していない分)なのか……。仮説専門領域というものもあることを知った。
大体、論文というのは質的研究、量的研究、統計研究、あと他にもいろいろあるのだろうけれども、昔の仮説といってもすごく面白いと思う。これは、一般的な汎化にも適用できそう。