インテグラル

integral<インテグラル>とは日本語で「積分」。面積を求める操作。
状況によっては、より高次の関数になることもあり、つまり、次元があがることがあると言える。本作ではゲーム世界の次元から現実世界の次元への、その次元を超える操作に「インテグラル」という言葉をあてている。そしてこれが、我々が「インテグラル」に込めた想いである。
ところで、ゲームの中には一つ、特徴がある。
「やり直し」である。
なかなかクリアできず、なんども繰り返しプレイすることで、解決法が見つかり次のステップへすすむことができるという仕掛けである。それは、小説のページをめくること、映画のコマを追うこととは違い、開発者が「フラグ管理」により意図的に仕掛けることが出来るルールである。
このルールは通常、隠蔽されていて、ただのゲームバランスとして扱われるものだが、本作ではこの仕掛けにストーリー、デザイン、演出、操作を絡ませ、「自分がプレイヤーであるからこそクリアできたし、物語世界の問題が解決できた」という結論に帰結するように構成されている。つまりプレイヤーもゲーム世界のシステムの一つであり、ゲーム全体を構成するのに欠くことのできない要素なのだ。そして、そのシステムを本作では「インテグラル」と名付けた。
さて、インテグラルには「全体」という意味もある。
ゲーム世界からより高次へ向う仕掛けを用意し、物語世界・開発者・プレイヤーをトータルに結びつけ「全体」を作り上げるシステム、それが「インテグラル」なのだ。
これはゲームにおけるメタフィクションの実験であり、新しいエンターテイメントへの挑戦である。

http://www.kid-game.co.jp/12r/index.html